矯正歯科
歯並びの矯正を希望する方で、最も多い理由は「見た目を良くしたい」というものです。
もちろん見た目を良くするのはとても大事なことですが、歯並びが悪いことがどのような問題を引き起こすのかをご説明します。
歯並びが悪いとどうなる?
むし歯になりやすい
歯並びが悪いと歯の周りに汚れがたまりやすく、また歯ブラシも届きにくくなります。歯の汚れはむし歯と歯周病の原因になります。
発音が正しくできない
奥歯を噛みしめて前が開く「開咬」の場合は、「さしすせそ」などの摩擦音を出しにくく、英語の発音などは、特に大きなハンデとなります。
そしゃく障害が起きやすい
食べ物を十分に噛み砕くことができないために、栄養摂取の効率が悪くなったり、胃腸をこわしたりしがちです。
顎関節症
(アゴの病気)
を起こしやすい
顎関節症(アゴの病気)を起こしやすい
噛み合わせが悪いため、口が開きにくく、アゴの関節で音がする、口を開けた時に関節の周りが痛むなどの、障害を引き起こす原因になります。
アゴの成長に異常を起こす
アゴの成長が進まなかったり、逆に進みすぎたりし、ひどい場合には顔つきにも異常を起こします。
劣等感をいだきやすい
大きく口を開けて笑ったりしゃべったりすることに、引け目を感じて性格的にも暗くなったりすることもあります。
以上6点にわたって、歯並びが悪いことが引き起こす身体的、精神的問題点について述べました。心あたりのある方はお気軽にご相談ください。
早く歯並びを矯正したい方へ
セルフライゲーションシステム
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歯を動かすワイヤーは、通常細い針金やゴムでブラケット(歯の表面に付ける装置)に固定していました。そのため、傷みや摩擦が発生し患者様の負担も大きかったのです。 しかし、このセルフライゲーションシステムは、装置自体も小さく、ブラケットとワイヤーの摩擦が少ないため、痛みも従来のものより軽くなり、より患者様に優しい矯正治療の提供が可能です。代表的な装置として「セルフライゲーションブラケット装置(デーモンシステム・クリアスナップ)」などがあります。矯正治療をお考えの方はお気軽にお問い合わせください。 |
歯科矯正用アンカースクリューを使用した矯正歯科治療
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小さなスクリューを歯ぐきに埋め込み、これを固定源として歯を動かします。治療期間の短縮、難しい治療が可能、精度の高い治療結果、痛みが少ない、動かしたい歯だけを動かす、などメリットが非常に多い治療法です。 |
見えない矯正
マウスピース型矯正装置
(インビザライン) |
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は透明感のあるマウスピース型の矯正装置で、装着していても目立ちません。 摂食や清掃時に取り外し可能なため、治療中の口腔および歯周組織の健康が、よりよく維持されます。また、矯正装置の装着による不快感も軽減されます。通常は2週間毎に新しいアライナーに交換しながら、一日20時間以上装着し、歯を徐々に移動させていきます。 ※完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。 |
歯科矯正用咬合誘導装置
(プレオルソ) |
「歯科矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)」は、小児の不正咬合を治療するために体系化された矯正方法です。上下一体型であり、素材に弾性のあるシリコンウレタン等を使用したプリフォーム装置です。柔らかく、取り外しができるマウスピース型装置を使用します。
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歯科矯正用咬合誘導装置
(ムーシールド) |
筋機能のアンバランスが、不正咬合をつくります。バランスを整え、調和を取り戻せば、不正咬合は回復します。反対咬合の原因の一つは、舌が低い位置で機能していることです。ですから、治療目標が、まず、舌を挙上してあげることです。そのように、バランスを取り戻す器具が、「歯科矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)」です。就寝中使用します。取り外しできる器具ですから、上手く使えなかったり、諸条件によっては期待する効果が得られないこともあります。 |
実際の矯正治療例
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上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上あごの成長が強い場合や上の前歯が前方にある場合に前歯が突出した状態になります。口唇を閉じると口もとが緊張するため、上の前歯を後方へ移動する必要があります。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)の治療(25歳)
前歯が出ており、見た目を気にして来院されました。
左右上顎第一小臼歯、左右下顎第一小臼歯(計4本)を抜歯して治療しました。ブラケット装置の装着期間は2年1か月でした。
■治療費 600.000円(税抜)
※治療上のリスクとしてカリエス、歯肉炎、歯周炎、歯肉退縮、歯根吸収、顎関節症、骨隆起の増大等があります。また、治療には個人差がありますのであくまでご参考とお考え下さい。
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下顎前突(かがくぜんとつ)
下あごが大きい場合、上の前歯が内側に倒れている場合、あごの位置がずれている場合にこのような症状となります。状態の程度によっては前歯で食べものを咬みきることができません。
下顎前突(かがくぜんとつ)の治療(30歳)
下あごが出ている事と、咬み合わせが逆である事を気にして来院されました。
左右下顎第一小臼歯(計2本)を抜歯して治療しました。ブラケット装置の装着期間は2年2か月でした。
■治療費 610.000円(税抜)
※治療上のリスクとしてカリエス、歯肉炎、歯周炎、歯肉退縮、歯根吸収、顎関節症、骨隆起の増大等があります。また、治療には個人差がありますのであくまでご参考とお考え下さい。
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叢生(そうせい)
叢生とは、あごが小さいために歯の並ぶ隙間がない、歯が大きくて並びきれないために歯が重なって生えている状態です。治療には抜歯が必要になることがあります。
叢生(そうせい)の治療(17歳)
歯ならびが凸凹していることを気にして来院されました。
上下左右第一小臼歯(計4本)抜歯して治療しました。ブラケット装置の装着期間は2年3か月でした。
■治療費 615.000円(税抜)
※治療上のリスクとしてカリエス、歯肉炎、歯周炎、歯肉退縮、歯根吸収、顎関節症、骨隆起の増大等があります。また、治療には個人差がありますのであくまでご参考とお考え下さい。
矯正治療の費用について
矯正費用は一人ひとりの歯列の状態によって(矯正方法によって)異なりますが、おおむね以下のようになります。
(消費税別)
■相談料
3,000円
■基本検査料
15,000円
■診断料
20,000~35,000円
■歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ、ムーンシールド)
50,000円
基本施術料
成長期にあるお子さんで二段階の治療が必要な方の場合 | 一期治療(顎矯正) | 100,000~280,000円 |
二期治療(本格矯正) | 160,000~340,000円 | |
マウスピース型矯正装置(インビザライン) | 370,000~550,000円 | |
成人の方およびはじめから本格矯正のお子さんの場合 | 本格矯正 | 440,000円 |
マウスピース型矯正装置(インビザライン) | 上顎 | 180,000~300,000円 |
上下顎 | 230,000~650,000円 | |
MTM | 部分的な矯正 | 50,000~200,000円 |
マウスピース型矯正装置(インビザライン) | 180,000~300,000円 | |
調節料 | 毎回の処置料 | 5,000円 |
マウスピース型矯正装置(インビザライン) | 3,500円 | |
観察料 | 2,000円 | |
資料代 (1年ごとの資料、または動的処置終了時) |
レントゲン(分析代含む) | 5,000円 |
スタディモデル(歯列模型) | 1,000円 | |
CT料 | 5,000円 | |
審美ワイヤー(白いワイヤー) | 1,000円加算 | |
歯科矯正アンカースクリュー | 30,000~50,000円加算 |
※マウスピース型矯正装置(インビザライン)は完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 矯正装置を装着後、最初は痛みや違和感があります。通常は数日から1週間程度でなれてきます。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要となります。これらが治療期間や治療結果に大きく影響します。
- 治療中は、装置が付いていることにより歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスをすることが大切です。また、歯が動いてくることにより、それまで隠れていたむし歯が見えてくる事があります。
- 希に歯を動かすことにより、歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯肉が退がってしまうこと(歯肉退縮)もあります。
- ごく希に歯を動かすことにより、歯髄が障害を受けて歯の変色が起こる事があります。
- 歯をぶつけた既往があると歯根と骨が癒着しており、歯が動かないことがあります。
- 治療途中に金属のアレルギー等の症状が生じることがあります。
- 治療中に顎が痛い、口が開けにくいなどの顎関節に症状が出ることがあります。
- 歯の大きさによっては、歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりすることがあります。
- 治療中の状況によっては、当初予定した治療計画を変更する事があります。
- 矯正装置の脱落などにより、誤飲してしまう可能性があります。
- ブラケット等の矯正装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 矯正装置を外した後に、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 矯正装置を外した後に、かぶせ物(補綴物)やむし歯の治療などをやり直す可能性があります。
- あごの成長発育により、咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 保定中に親知らずが生えてくることにより、凸凹が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病等により、咬み合わせや歯並びが変化することがあります。このような場合、再治療が必要になる事があります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると、元の咬み合わせに戻すことは難しくなります。